植村裁判を支える市民の会(準備会)が、「参加呼びかけ」をメールで発信しました。
(4月9日)
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不屈の民主主義をつくるために
~「植村裁判を支える市民の会」に参加を~
職場に名指しで「殺す」「辞めろ」という脅迫、嫌がらせメールが殺到し、高校生の娘がネットで名前と写真をさらされ、「自殺するまで追い込め」と書き込まれる―。こんな目に遭ったら、あなたはどうしますか。
札幌在住の元朝日新聞記者、植村隆さんは実際、こういう経験をしました。2014年以降、転職予定だった神戸松蔭女子学院大学の教授職を諦め、非常勤講師を務めていた札幌の北星学園大学は爆破予告を受けて何千万円もの警備を強いられ、高校生の長女は「地の果てまで追い詰めて殺す」と殺害予告を受け、登下校時にパトカーが警護する事態に追い込まれました。
原因は、25年前に書いた慰安婦問題の記事への「捏造」批判です。「捏造」とは、単なる誤報ではなく、意図的なでっち上げを意味する言葉です。新聞記者が捏造すれば、懲戒解雇もの、「捏造」のレッテルはジャーナリストにとって死刑宣告と同じです。
著名なジャーナリストの櫻井よしこさんは、植村さんに対し、週刊誌の記事や、それを転載した自身のホームページで、「捏造」と断じました。「植村氏の捏造報道と、学問の自由、表現の自由は異質の問題である」「明確な捏造記事である」(週刊新潮2014年10月23日号)などと「捏造」という断定を繰り返しました。
その際に引用しているのが、西岡力・東京基督教大学教授の言説です。西岡さんは著書や雑誌記事で、元慰安婦の裁判支援をした韓国の遺族会幹部である義母のために、記事を意図的にでっち上げた、と断定しています。この言説は、朝日新聞の検証報道、同社の第三者委員会、当時、慰安婦問題を報じた社内外の記者の証言によって完全に否定されました。にもかかわらず、慰安婦の強制性を否定する櫻井さん、西岡さんらは、執拗に「捏造」のレッテルを貼り続けています。
植村さんや長女、北星学園大学に対する激しい脅迫と、大学を励ます「負けるな北星!の会」発足を伝える朝日新聞の記事に対し、櫻井さんは、「脅迫状やネット上の攻撃を奇貨として自己防衛を図るかのような、朝日の姑息な精神」(週刊新潮14年10月23日号)と書きました。「社会の怒りを掻き立て、暴力的言辞を惹起しているものがあるとすれば、それは朝日や植村氏の姿勢ではないでしょうか」(週刊文春14年10月23日号)とまで、言い放ちました。
「植村バッシング」に萎縮し、新聞、テレビは、慰安婦問題を史実として掘り下げなくなりました。「捏造」言説は勢いを増し、歴史学の常識までも否定されかねない危機を招いています。植村さんは、異様な言論状況下でやむを得ず、司法の場に救済を求めました。
私たち、「植村裁判を支える市民の会」(略称・支える会)は、櫻井さん、西岡さんらを相手取り植村さんが起こした裁判を支持し、支援します。ひとり植村さんの名誉のためではありません。言論・表現・報道の自由、元慰安婦の尊厳、そして歴史の真実を追究する良心を守るためです。
この趣旨に賛同する、あらゆる力を結集しましょう。不屈の民主主義をつくるために。
「植村裁判を支える市民の会」準備会