左から、上田文雄さん、植村隆さん、佐高信さん
報告集会は午後6時半から「かでる2・7」大会議室で開かれた。会場は220人の参加者で満員。東京からは共同代表の香山リカさんと崔善愛さんもかけつけた。植村さんのあいさつの後、札幌と東京の弁護団からの報告、佐高信さんの講演「櫻井よしこは何者か」、上田文雄さん(前札幌市長)が加わったクロストークがあった。植村さんのあいさつ(要旨)は次の通り。
現在と未来の記者を守るたたかい
思い起こせば去年2月10日の提訴は雪の舞う中だった。だいたい4月には第1回口頭弁論があるかと思って意見陳述の原稿を書いていたが、桜井さんたちが東京でやれということで移送をめぐって訴訟が行われた。結果的にわれわれが緒戦を勝利して札幌地裁でできることになった。
きょう弁護団と改めて地裁へ向かう道を歩き、改めてみなさんとたたかえる喜びをかみしめています。
私は土佐の出身で坂本龍馬研究家ですが、人生の最後は北海道で暮らそうとし、大学の教員をめざしたが、札幌は第二の故郷。ともに闘える喜びをかみしめています。
陳述書のコピーがこの会場にもありますが、許せないのは、去年来た脅迫状で、娘を殺すと書かれてせつなかった。千枚通しで胸がさされるような思い。なんで娘を殺すと言われなくてはならないのか。
桜井さんの問題点。桜井さんは産経新聞で名指ししている中で、金学順さんの訴状に「40円で売られた」とか「継父に売られた」と、訴状にないことを、訴状に書かれているといって攻撃している。桜井さんは事実にないことをあえてくっつけていっている。問題にしたい。
挺身隊が当時、慰安婦の意味で使われていました。1982年3月のテレビ欄。「女子挺身隊という名の従軍慰安婦」という番組が11PMで放送されている。その前の時間の番組が桜井さんの「きょうの出来事」という番組。
桜井さんは調べればわかることを調べていない。
しかも桜井さんは私に一切取材しないで北星学園大を非難している。北星学園大がバッシングされているとき「23年間捏造報道の訂正もせず学生に教えることが学生教育のあるべき姿なのか」。週刊文春には「暴力的姿勢を惹起しているのは朝日と植村ではないか」と批判して、バッシングをおさめるどころか、あおりたてている。
それにあおられて「桜井さんの言う通りだ」というブログも出ている。「たまたま脅迫の手紙が入っていたからといって大騒ぎするのがおかしい」とたきつけている人がいる。ほんとうにおそろしい。
桜井さんのような影響力のある人が、根拠にもとづかず、自分のインチキな記事をもとに攻撃しているのは異常なこと。
法廷で満席になって聞いていただきました。これから長い闘い。みなさんとともにたたかっていきたい。こんなことで記者が萎縮させられたら、歴史の問題に着手してアジアとの和解のため記事を書く記者が減ってしまう。いまの記者、未来の記者を守るためのたたかいだと思います。
満員となった報告集会(2016年4月22日、札幌市の「かでる2・7」で) |