2016年11月4日金曜日

札幌訴訟第4回速報

被告側、一部表現を「事実の摘示」と認める
植村裁判札幌訴訟(被告櫻井よしこ氏、新潮社、ダイヤモンド社、ワック)の第4回口頭弁論が11月4日、札幌地裁で開かれました。7月末以来約3カ月ぶりの裁判ですが、裁判所周辺の街路樹の紅葉は終わりに近づき、冬の訪れが近いことを実感しました。今回も傍聴券交付の行列ができ、抽選となりました(定員71席に対し87人行列)。

札幌訴訟では前回まで、櫻井氏が植村さんに浴びせた名誉棄損表現は「事実の摘示」なのか、「意見、論評」なのか、が主たる争点となっていましたが、この日の陳述で被告側はこれまでの主張を変更し、初回以来すべて「意見、論評」としていたものの一部が「事実の摘示」であることを認めました。この点について、植村弁護団事務局長の小野寺信勝弁護士は裁判後の報告集会で、「これで事実摘示か論評かについて、お互いの見解が明らかになった。(基本的な)第一の争点のやり取りを終えた。裁判は次のステップに進むことになる」と語りました。
名誉棄損をした表現者は、その表現が「事実の摘示」であれば、その事実が真実であるか、真実だと信じてもやむを得ないことの証明が必要です。次回以降は、櫻井氏の表現が「真実である」のか、もしくは「真実と信じるについて相当の理由がある」のか、について双方の主張、立証が行われ、さらに植村さんが受けた「被害・損害」も大きな争点になる、とのことです。

次回以降の期日は、第5回(12月16日)に続き、第6回(2017年2月10日)、第7回(4月14日)までが決定しました。

講演で俵義文さんが「日本会議」を分析
会場は満席になった
東京からの参加者も
口頭弁論終了後の報告集会は近くの札幌市教育文化会館で開かれました(午後4時30分~6時40分)。「支える会」共同代表の小野有五さん(北大名誉教授)のあいさつ、小野寺弁護士の裁判報告、植村隆さんの韓国報告のあと、「子どもと教科書全国ネット21」事務局長の俵義文さんが「日本会議とは何か」と題して講演し、日本会議という組織についての長年の豊富な研究と分析に基いて、その沿革や活動の実態を語りました。櫻井よしこ氏や稲田防衛相、安倍首相をめぐる知られざるエピソードもいくつか明かされました。
集会の最後に、「wamへの攻撃を許さない」声明を「支える会」七尾事務局長が読み上げ、集会参加者に共闘と連携を呼びかけました。


小野寺弁護士の法廷での意見陳述全文は「植村裁判資料室」に収録しました こちら
※声明「女たちの戦争と平和資料館wamへの攻撃を許さない!」は下記に掲載