2019年1月1日火曜日

植村隆■新年ご挨拶

新しい年。闘志と確信と感謝を新たに


私の東京と札幌の裁判をいつも支援していただき、誠にありがとうございます。
私は年末年始、自宅のある札幌に戻っております。雪景色のなかで、静かな新年を迎えました。皆様にとって、今年がよい一年でありますように祈っております。

私も今年は歓喜の年にしたいと思います。櫻井よしこ氏らを名誉毀損で訴えた札幌訴訟では昨年11月9日に不当判決が下されました。判決は、櫻井氏の言説が、私の社会的な評価を低下させたことは認めましたが、櫻井氏のずさんな取材にも関わらず、真実相当性を認め、櫻井氏を免責してしまったのです。決して容認できない判決であり、今年、札幌高裁で逆転勝訴を目指します。

札幌弁護団はいま、控訴理由書づくりに力を注いでいます。
年末に開かれた弁護団会議に参加し、その熱い議論を見て、改めて感激しました。
弁護士の皆さん、支援の皆さんが、勝利を目指して心を一つにしているのです。
そして、私も新たな闘志を燃やしています。

今年3月20日には、元東京基督教大学教授の西岡力氏と「週刊文春」を発行する文藝春秋を訴えた東京訴訟の判決が下されます。
昨年11月28日の意見陳述で私は、「こんな『植村捏造バッシング』が許されるなら、記者たちは萎縮し、自由に記事を書くことができなくなります。こんな目にあう記者は私で終わりにして欲しい」と訴えました。その思いが、裁判所に届くことを確信しています。

昨年、札幌地裁では、私と同じような記事を当時書いた元北海道新聞ソウル特派員の喜多義憲さんが、櫻井氏の植村批判について、「言いがかり」と証言してくれました。札幌でも、東京でも本人尋問が行われ、私の記事を「捏造」呼ばわりしていた櫻井氏や西岡氏のウソが法廷で明らかになりました。
それを詳しく報じた植村裁判取材チームによる緊急出版本『慰安婦報道「捏造」の真実 検証・植村裁判』(花伝社)も出版されました。それらによって、私が「捏造記者」でないことは、言論の世界ではすでに証明されたと思います。

2014年1月末に、「植村捏造バッシング」に巻き込まれてから、もうすぐ5年になろうとしています。長い闘いが続いています。逆境の中で、皆様と出会い、勇気をいただいてきました。私を支え続けてくださった皆様に改めて感謝するとともに、さらなるご支援をお願いしたいと思います。
どうぞよろしくお願いします。

2019年1月1日



写真=藻岩山下で、雪帽子をかぶるナナカマド。石井一弘撮影