2019年1月17日木曜日

4月から札幌控訴審

 決定! 札幌訴訟                

4月25日(木)午後2時30分
札幌高裁で控訴審第1回口頭弁論

札幌訴訟の控訴審第1回口頭弁論は、4月25日(木)午後2時30分から札幌高裁で行われます。


 東京訴訟 判決                 

3月20日(水)午前11時
東京地裁で判決言い渡し

東京訴訟の判決言い渡しは、3月20日(水)午前11時から東京地裁で、あります。

2019年1月1日火曜日

植村隆■新年ご挨拶

新しい年。闘志と確信と感謝を新たに


私の東京と札幌の裁判をいつも支援していただき、誠にありがとうございます。
私は年末年始、自宅のある札幌に戻っております。雪景色のなかで、静かな新年を迎えました。皆様にとって、今年がよい一年でありますように祈っております。

私も今年は歓喜の年にしたいと思います。櫻井よしこ氏らを名誉毀損で訴えた札幌訴訟では昨年11月9日に不当判決が下されました。判決は、櫻井氏の言説が、私の社会的な評価を低下させたことは認めましたが、櫻井氏のずさんな取材にも関わらず、真実相当性を認め、櫻井氏を免責してしまったのです。決して容認できない判決であり、今年、札幌高裁で逆転勝訴を目指します。

札幌弁護団はいま、控訴理由書づくりに力を注いでいます。
年末に開かれた弁護団会議に参加し、その熱い議論を見て、改めて感激しました。
弁護士の皆さん、支援の皆さんが、勝利を目指して心を一つにしているのです。
そして、私も新たな闘志を燃やしています。

今年3月20日には、元東京基督教大学教授の西岡力氏と「週刊文春」を発行する文藝春秋を訴えた東京訴訟の判決が下されます。
昨年11月28日の意見陳述で私は、「こんな『植村捏造バッシング』が許されるなら、記者たちは萎縮し、自由に記事を書くことができなくなります。こんな目にあう記者は私で終わりにして欲しい」と訴えました。その思いが、裁判所に届くことを確信しています。

昨年、札幌地裁では、私と同じような記事を当時書いた元北海道新聞ソウル特派員の喜多義憲さんが、櫻井氏の植村批判について、「言いがかり」と証言してくれました。札幌でも、東京でも本人尋問が行われ、私の記事を「捏造」呼ばわりしていた櫻井氏や西岡氏のウソが法廷で明らかになりました。
それを詳しく報じた植村裁判取材チームによる緊急出版本『慰安婦報道「捏造」の真実 検証・植村裁判』(花伝社)も出版されました。それらによって、私が「捏造記者」でないことは、言論の世界ではすでに証明されたと思います。

2014年1月末に、「植村捏造バッシング」に巻き込まれてから、もうすぐ5年になろうとしています。長い闘いが続いています。逆境の中で、皆様と出会い、勇気をいただいてきました。私を支え続けてくださった皆様に改めて感謝するとともに、さらなるご支援をお願いしたいと思います。
どうぞよろしくお願いします。

2019年1月1日



写真=藻岩山下で、雪帽子をかぶるナナカマド。石井一弘撮影

2018年12月27日木曜日

■回顧■2018年

NEWS & TOPICS
ネトウヨ、ヘイト、差別、妨害とたたかう!

この1年、 ネットやテレビにはヘイトや嫌韓スピーチが流れ、書店にはリベラルたたきや歴史修正主義の雑誌や本が並びました。講演会や映画上映会を妨害する動きも各地で起きました。その一方で、市民や弁護士の運動と取り組みの成果も目立ちました。へイトスピーチに賠償を命ずる判決が相次ぎ、大手動画サイトは差別表現の規制を始めるようになりました。それらのトピックスをまとめて並べ、平成最後の年2018年の回顧とします。

以下の引用はすべて、ことし朝日新聞に掲載された記事をダイジェストしたものです。

=引用開始(月日順)
2月■朝鮮総連本部に銃弾発砲
東京都千代田区の在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)中央本部に銃弾が撃ち込まれた。事件発生は23日午前3時50分ごろ。男2人が中央本部前に車で乗り付け、門扉に向け5発を発砲。建造物損壊容疑で現行犯逮捕された。けが人はなかった。
警視庁によると、車を運転していた右翼活動家の桂田智司容疑者(56)は「北朝鮮のミサイル発射に堪忍袋の緒が切れた。車で突っ込むつもりだった」と供述。助手席から発砲した元暴力団員の川村能教容疑者(46)は「拳銃は自分のもの」と話しているという。
公安関係者によると、桂田容疑者は在日コリアンを非難する右派系団体の排外主義的デモに参加。中央本部前でも北朝鮮のミサイル発射に対する抗議活動を行っており、直近では昨年11月に抗議していたのを確認しているという。<朝日新聞3月1日付>

5月■ネット上で在日女性を脅迫した男を書類送検
ヘイトスピーチに反対する活動を続ける川崎市の在日コリアン3世、崔江以子(チェカンイヂャ)さん(44)をツイッター上で脅したとして、神奈川県警が同県藤沢市の無職の男(50)を、脅迫容疑で書類送検したことがわかった。崔さんは24日に会見し、「捜査に感謝している。普通に暮らしたい」「危険を感じて、バスでも子どもと離れて座らざるを得なかった。生きるのを諦めたくなったこともあったが、子どもや関係者に支えられた」と言葉を詰まらせながら語った。
崔さんや代理人弁護士によると、川崎市では2016年1月、ヘイトスピーチに反対する市民団体が結成され、崔さんの発言がメディアで紹介された。翌月から、ツイッターで崔さんを中傷したり脅したりする投稿が始まったという。
投稿は昨年12月までに数百件に上り、「ナタを買ってくる予定。レイシストが刃物を買うから」といった内容もあった。17年8月には崔さんの勤め先にゴキブリやガの死骸が届き、翌9月には「死骸送りつけたの誰よ」などと投稿されたこともあった。崔さんは不眠や難聴などを発症し、病院でストレス起因と診断された。16年8月には県警川崎署に告訴状を提出した。 <朝日新聞デジタル5月25日>

6月■ヘイト講演会を数百人の抗議行動で中止に
川崎市で排外主義的なデモを繰り返している男性らが計画した講演会が3日、中止になった。講演会でヘイトスピーチが行われるとして、会場の市教育文化会館周辺には、反ヘイトスピーチの市民団体のメンバーら数百人が集まり、入り口を塞ぐなどの抗議行動を展開した。
抗議は市民団体「ヘイトスピーチを許さないかわさき市民ネットワーク」が呼びかけ、講演会開始の1時間前から「レイシスト(人種差別主義者)帰れ!」と連呼。講演会への参加者を見つけては取り囲み、押し返した。団体によると、約600人が抗議に参加したという。
この日はヘイトスピーチ対策法が施行されて2年。川崎市は今春、ヘイトスピーチの恐れがある場合、公的施設の利用を事前規制できる全国初のガイドライン(指針)を施行した。市民団体は指針による使用の不許可を求めたが、市は要件を満たさないとして利用を許可していた。<朝日新聞デジタル6月4日>

6月■地震後に差別ツイート相次ぐ
近畿地方を18日に襲った大阪北部地震後に、ツイッター上で外国人に対する差別的な投稿が相次いでいる。「地震に乗じてヘイトをあおっている」などと批判も出ており、法務省も「真偽をよく確かめて」と注意を呼びかけている。
「地震が起きると外国人が悪事を働く可能性が高い」「重要文化財が壊れている。地震のせい!? 外国人の可能性も!?」――。地震後、ツイッターにはこうした投稿が相次いだ。
これに対し、ネット上では「震災をダシに差別をあおるな」などと批判が殺到。法務省人権擁護局もツイッターで「災害発生時には、インターネット上に、差別や偏見をあおる意図で虚偽の情報が投稿されている可能性もあり得ます」などと冷静に行動するよう呼びかけた。
同省によると、災害時にこうした投稿をするのは初めて。「災害時はデマがありうるため、いち早く注意喚起した」という。ツイッター日本法人によると、人種差別的な投稿などがあった場合は投稿者に削除を求め、応じなければアカウントを永久に凍結するなどの措置をとっているという。
過去には、2016年の熊本地震の際に「朝鮮人が井戸に毒を投げ込んだ」といったデマがネット上で出回った。95年前の関東大震災でも、同様のデマにより朝鮮人らが殺害される事件が起きたとされる。<朝日新聞6月19日付>

7月■通報によって差別動画の削除と広告停止が相次ぐ
ネット空間の差別的な表現にどう対処するか。利用者の「通報」をもとに、運営者側が投稿動画を削除したり、広告主が問題を指摘されたサイトへの広告を停止したりする動きが広がっている。差別表現がなくなると歓迎する声がある一方、対象の拡大には言論の自由の観点から慎重さを求める声もある。
「ネトウヨ(ネット右翼)動画を報告しまくろう」。匿名掲示板サイトで呼びかけが始まったのは5月中旬。きっかけは動画投稿サイト「ユーチューブ」に投稿された、ある殺人事件の容疑者が「在日」だ、と根拠なく言及した動画だ。ユーチューブ運営者に規約違反が報告され、この動画が削除された、という書き込みがあった。これを受け、他の動画も通報する動きが広がった。
ユーチューブは、差別を扇動するような「悪意のある表現」は認めないとしており、視聴者が報告できる仕組みもある。違反した動画は削除し、当事者に通知。3回続くとアカウントが停止される。
ユーチューブを運営するグーグル日本法人は、取材に「個別の対応はお話ししていない」と回答。ただ、一昨年から、規約違反への対応を強化した、という。
差別的な内容を含んだまとめサイト「保守速報」への広告掲載も問題化した。(中略)
通報の動きが広がり、通販サイト「通販生活」を運営するカタログハウスや映像配信のU―NEXTも保守速報への広告を停止。ネット広告大手のファンコミュニケーションズ(東京都)も、「規約に違反している」として、契約を解除した。保守速報のサイトには、管理人からのお知らせとして、「現在広告がない状態で運営しております。このままだと存続が危うい状態です」と書かれている。<朝日新聞デジタル7月6日>
 
7月■仙台地裁がヤフーに虚偽の投稿の削除を命令
ヤフーの掲示板に虚偽の情報を書き込まれたとして、宮城県内の60代男性が同社に投稿削除と慰謝料を求めた訴訟の判決が9日あり、仙台地裁の村主隆行裁判官は「虚偽の事実が記載されていると知った時点で投稿を削除する義務があった」とし、同社に投稿削除と約15万円の支払いを命じた。
判決によると、2016年2月、何者かによって、男性の実名や職歴とともに「在日朝鮮人である」という虚偽の内容が投稿された。男性はヤフーに対し、日本国籍を証明する自身の戸籍抄本などを送って投稿の削除を求めたが、応じてもらえなかった。
ヤフーは弁論で「同姓同名の他人である可能性がある」などと反論したが、村主裁判官は「書証などから容易に(虚偽と)認定できる」と指摘。「人格的利益より、虚偽の事実を示した表現の自由を保護する理由は全くない」とした。 <朝日新聞デジタル7月9日>

7月■「ニュース女子」制作会社と司会者を名誉毀損で提訴
沖縄の米軍基地反対運動を取り上げた番組「ニュース女子」で名誉を傷つけられたとして、人権団体「のりこえねっと」の共同代表・辛淑玉(シンスゴ)さんが31日、番組を制作したDHCテレビジョン(東京)と、司会を務めた東京新聞元論説副主幹の長谷川幸洋さんを相手取り、計1100万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こした。
訴状によると、問題としているのは東京メトロポリタンテレビジョン(MX)で昨年1月2日と同9日に放送された番組と、同年3月13日にインターネット配信された番組の計3本。基地反対運動の参加者が暴力を繰り返し、辛さんの団体が金銭面で支援していると表現されたとして、「社会的評価を低下させられた」と主張している。損害賠償のほか、ネット番組の配信停止や謝罪も求めている。
番組をめぐっては、放送倫理・番組向上機構(BPO)放送人権委員会が3月、人権侵害を認定し、MXに再発防止を勧告した。提訴後に記者会見した辛さんは「BPOに指摘されても、DHCテレビはネット配信を続けている。侮辱された沖縄の人の分も裁判を戦いたい」と語った。MXからはBPOの勧告後に謝罪されたため、訴訟の被告にはしなかったという。 <朝日新聞デジタル7月31日>

8月■国連委が日本にヘイト対策強化勧告
国連人種差別撤廃委員会は30日、日本の人権状況と政府の取り組みへの見解をまとめた報告を公表し、ヘイトスピーチ対策の強化などを勧告した。ヘイトスピーチについては、2016年に日本が対策法を施行した後もなくならない現状に懸念を表明。対策が限定的で不十分だとの認識を示し、集会などでの差別的言動を禁止するよう求めた。
日本のヘイトスピーチ問題をめぐって、委員会は前回14年に法規制を勧告した。今回、対策法の施行を歓迎しつつも、効力は限定的だと指摘し、法を改正して救済対象を外国出身者以外にも広げるよう勧告。集会やデモでのヘイトスピーチや暴力をあおる発言を禁止し、インターネット上でのヘイトスピーチに対しても効果のある対策を取るように求めた。さらに、司法部門で差別犯罪の捜査や処罰について研修を行うことも勧告した。
慰安婦問題では、15年12月の日韓合意といった解決努力を評価しつつ、「被害者を中心に置くアプローチが十分でなかった」との認識を示し、元慰安婦が納得するような解決を求めた。<朝日新聞デジタル8月30日>

9月■LGBT差別寄稿掲載した新潮45休刊に
LGBTをめぐる寄稿や企画で批判を浴びていた月刊誌「新潮45」が、最新号発売から約1週間で休刊に追い込まれた。雑誌ジャーナリズムの老舗の一翼を担ってきた新潮社。社長が「あまりに常識を逸脱した偏見と認識不足に満ちた表現」と説明する企画がなぜ掲載されたのか。
 「編集長の編集権を重んじ、自主性を信じていた」。休刊を受けて取材に応じた伊藤幸人・広報担当役員は25日夜、そう話した。その自主性の尊重が今回、裏目に出る。8月号の自民党杉田水脈(みお)衆院議員の寄稿に批判が殺到しても、当初は幹部の危機感は薄かった。ところが、10月号に掲載した特別企画「そんなにおかしいか『杉田水脈』論文」では新潮社を支えてきた作家からの批判が相次ぎ、執筆取りやめを表明する人も出る事態になった。<朝日新聞デジタル9月27日>

11月■大量懲戒請求した900人超を提訴
全国の弁護士会に大量の懲戒請求が出された問題で、東京弁護士会の弁護士2人が「不当な請求で業務を妨害された」として、900人超の請求者に各66万円の損害賠償を求める訴えを東京地裁に起こすことを決めた。請求者1人ごとに訴えるため、900件超の訴訟となる。まずは2日、6人を相手に提訴する予定だ。
訴訟を起こすのは北周士、佐々木亮の両弁護士。昨年以降、計4千件の懲戒請求を受けた両弁護士は今年4月、約960人の請求者を相手に訴訟を起こす考えをツイッターで表明。同時に和解も打診したが、応じたのが約20人にとどまったため、残る人について提訴する方針を決めた。北弁護士は朝日新聞の取材に「件数が多いので、裁判所の対応を見ながら随時提訴したい」と話している。
弁護士への懲戒請求は昨年、全国で約13万件に上った。各地の弁護士会が、朝鮮学校に交付する補助金の再考を促した国の通知を批判する声明を出したことなどへの反発とみられる。請求者を募るブログも存在し、まず佐々木弁護士に大量の請求が出された。両弁護士が批判すると、さらに請求が膨らんだ。同種の訴訟では、同会の金竜介弁護士が「在日コリアンを理由に懲戒請求された」と都内の男性を訴え、同地裁が10月に33万円の賠償を命じている。 <朝日新聞デジタル11月1日>

11月■香山リカさんの講演会が妨害電話で中止に
京都府南丹市は22日、精神科医で立教大教授の香山リカさんの講演会を中止したことをホームページで明らかにした。市などでつくる実行委員会が24日に開く子育てイベントで「子どもの心を豊かにはぐくむために」と題し講演予定だったが、妨害をほのめかす電話などがあったためという。
市によると、「日の丸の服を着て行ってもいいか」などとする電話が市に5件あり、「当日大音量を発する車が来たり、会場で妨害や暴力があったりしたら大変やろ」と市役所を訪れて告げる男性もいたという。市は京都府警に相談したうえ、別の講師を招くことを決めた。取材に西村良平市長は「圧力に屈したわけではない。子どもや母親らに穏やかに参加してもらうことが大事ということを考慮した」、香山さんは「精神科医としての事例を踏まえ、地方で子育てする保護者のみなさんを励ますような講演を準備していたので残念で不本意。一体どういう抗議があったのか詳しい内容を知りたい」と話した。<朝日新聞デジタル11月22日>

12月■慰安婦テーマの映画上映妨害に禁止命令
慰安婦問題をテーマにしたドキュメンタリー映画の上映会が妨害される危険性があるとして、神奈川県横須賀市で上映会を企画した男性が右翼団体を相手取り、妨害行為の禁止を求めた仮処分申し立てで、横浜地裁(宮沢睦子裁判官)は6日、この団体に対し、上映会場から半径300メートル以内での妨害行為を禁ずる決定を出した。
映画は同県在住の朴寿南(パクスナム)さん(83)が監督し、韓国人元慰安婦らが日本に謝罪を求めて訴える姿を描いた「沈黙―立ち上がる慰安婦」。 昨年から各地で上映会が開かれ、横須賀市でも市民らによる実行委員会が8日の上映会開催を予定している。
映画をめぐっては、10月16日の同県茅ケ崎市での上映会で、街宣車が会場周辺で上映中止を要求。11月28日の横浜市での上映会でも、右翼団体の構成員とみられる男性が会場内に入ろうとし、主催者に制止される騒ぎが続いた。
横浜地裁は決定で、それぞれの上映会は「(団体の)構成員または関連団体が妨害行為をしたと認められる」と認定したうえで、「(8日も)妨害行為をするおそれがある」と判断した。<朝日新聞12月7日付>

12月■差別サイトへの賠償命令、最高裁で確定
ネット上の差別的な投稿を集めたまとめサイト「保守速報」で名誉を傷つけられたとして、在日朝鮮人のフリーライター李信恵(リシネ)さんがサイト運営者に損害賠償を求めた訴訟で、運営者に200万円の支払いを命じた判決が確定した。最高裁第三小法廷(宮崎裕子裁判長)は11日付の決定で運営者の上告を退け、李さんが勝訴した一、二審判決が確定した。
一、二審判決によると、運営者は2013年7月から約1年間、匿名掲示板「2ちゃんねる」やツイッターから、李さんについて「朝鮮の工作員」などと書き込んだ投稿を引用し、編集を加えて掲載した。
一審・大阪地裁は、表現の一部が、名誉毀損(きそん)、人種差別、女性差別にあたると指摘。まとめサイトで編集する際、差別的な文言を拡大したり、色をつけたりして強調したことで、新たな権利侵害が生まれたと認定した。二審・大阪高裁もこの判断を支持した。<朝日新聞デジタル12月12日>

12月■「九条俳句」不掲載は違法、最高裁で確定
「梅雨空に『九条守れ』の女性デモ」。こう詠んだ俳句が秀句に選ばれたのに公民館だよりに載らず、精神的苦痛を受けたとして、作者の女性(78)がさいたま市に200万円の慰謝料などを求めた訴訟で、不掲載を違法とした判断が確定した。最高裁第一小法廷(小池裕裁判長)は、5千円の賠償を命じた二審判決を支持し、20日付の決定で市と女性の上告を退けた。
一、二審判決によると、女性は2014年6月、集団的自衛権の行使容認に反対するデモに加わった経験から句を詠んだ。地元の句会で秀句とされたが、公民館は「公平中立の立場から好ましくない」として公民館だよりに載せなかった。
一審・さいたま地裁は、公民館では3年以上、秀句を公民館だよりに載せ続けていたと指摘。秀句を掲載しなかったことは、思想や信条を理由にした不公正な取り扱いで「句が掲載されると期待した女性の権利を侵害した」として、5万円の慰謝料を認めた。
二審・東京高裁は、集団的自衛権の行使について世論が分かれていても、不掲載の正当な理由とはならないとし「女性の人格的利益の侵害にあたる」と判断。不掲載の経緯などを踏まえ、慰謝料の額を減額した。<朝日新聞デジタル12月21日>

12月■辛淑玉氏を中傷したジャーナリストに賠償命令
在日コリアン3世で人権団体「のりこえねっと」共同代表の辛淑玉(シンスゴ)氏が、フリージャーナリストの石井孝明氏のツイッターで「スリーパーセル(潜伏工作員)」などと中傷されたとして、550万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が25日、東京地裁であった。鈴木正弘裁判長は、石井氏に55万円の支払いを命じた。

石井氏は2016年11月~18年2月、ツイッターで辛氏に言及。辛氏の代理人によると、判決は、名誉毀損(きそん)を訴えた「北朝鮮のパシリ」などという10件の投稿について、辛氏の主張を認めた。脅迫だと訴えた「普通の先進国だったら、極右が焼きうちにしかねない」という1件については、脅迫には当たらないと判断したという。 <朝日新聞デジタル12月25日>
=引用終わり

2018年12月26日水曜日

発売3週間後の反響

12月5日に発行された「慰安婦報道『捏造』の真実」は、発売から3週間がたつ。版元の花伝社の担当編集者によると売れ行きは「いい動き」だという。
全国どこの書店でも、ベストセラーや売れ筋の本を並べる一般書コーナーではなく、マスコミ、ジャーナリズムという専門ジャンルの区画に置かれているようだ。札幌の大型書店、紀伊国屋書店札幌本店とジュンク堂書店札幌店でも専門書扱いだ。しかし、表紙が正面に見えるように置く「面陳列」となっていて、少しでも目立つようにという書店側の配慮が感じられる。紀伊国屋書店ではポップ広告も飾られている(写真右上と右下)。花伝社が販促用に作ったものだが、「不当判決」の幟を掲げる写真が踊っている。コピーには「ジャーナリズムの根底を揺るがしかねないこの裁判の真実を改めて世に問う!」「戦いはまだまだ、これからだ」とあって、力が入っている。書店のポップ広告は、専門書コーナーでは辞書やガイドブック以外は少ないから、これは破格の扱いといえようか。(ポップ広告とは、pop=point of purchase 店頭で商品のそばに置く飾り広告のこと)
花伝社は先週末22日に朝日新聞に広告を出した(写真下左)。読書面の下の大きな広告欄に、筑摩書房や第三書館、彩流社、共同通信社、新日本出版社など12社の新刊本と並んでいた。「5段12割」という小さな枠ではあるが、上段の中央にあり、目立つ扱いとなっていた。キャッチコピーは「誰が何を捏造したのか。朝日新聞の慰安婦報道をめぐり、法廷で明かされた保守派論客の杜撰な言論。事実をめぐる論戦はまだ続く」と訴えている。花伝社には読者からの感想も届き始めた(写真下右)。ある読者カードには次のような感想が書かれている。「本書を読むと、植村さんの記事に誤りはなかったわけで、なのに捏造という記者生命にかかわる非難を受け、家族も危険な目にあったのにこの判決かと、あらためて憤りを覚えます」。
読者の感想は、アマゾンにも2件のカスタマーレビューが載っている。2件とも5つ星、満点の評価。ミスター・ディグ氏は、「不当判決だ、公益性があればデマを流してもいいのか」と判決を批判し、風の邑人氏は「デタラメとウソとデマを可視化した貴重な記録」と同書を評価している。この2人の書評には計12人が「役に立った」のボタンを押している。さて、もうすぐお正月休みです。まだ読んでいない方は、旅行や帰省などの道中で、また寝正月の合間などに、ぜひ手に取って読んでみて下さい。





2018年12月10日月曜日

妨害なく上映会実施

映画「沈黙――立ち上がる慰安婦」の上映会が8日横須賀、9日東京・渋谷であり、両会場とも右翼の妨害はなく無事に終了した、と実行委員会がフェースブックで伝えています。その記事から、横須賀、渋谷の上映会の様子と、製作委員会・朴寿南監督の声明を転載します。
【12月8日、横須賀】東京、大阪、新潟、神奈川各地から90名もの市民が、『沈黙立ち上がる慰安婦』上映会を守るために集まりました!(加工写真の集まりは上映会ではなく、応援に来た人たちの打ち合わせなのです。)写真の通り警備体制も厳重に敷かれました。今日は寒かったです。1日立ってくれた皆様、弁護士の先生、会場の中で防衛し続けていただいた皆様本当に有難うございました。こうして約150名がぶじに鑑賞。夜、右翼団体が駅周辺に現れましたが結局、一つの団体も会場半径300m以内に近寄ることができませんでした。韓国メディアがトップニュースで報道しています!弁護団、市民の勝利を誇りに思います。ありがとうございました。
 【12月9日、渋谷】10時からの『沈黙立ち上がる慰安婦』上映は右翼団体の妨害行動はいっさいなく、満席近く上映を終えました。昨日の横須賀上映に応援に来てくれた方や、他にも入場券を買って中で鑑賞しつつ見守ってくれた皆様がいます。本当にありがとうございました。トークにかえ昨日横須賀会場でインタビューに答えた監督コメント5分をDVDに焼き放映してもらいました(本日会場のみ限定放映)。拍手喝采!!でした。渋谷署の護衛もありました。周りを警戒しながら映画が上映される社会は異常です。1213日(木)13時より上映があります!ぜひこの機会にご覧ください。 
【声明】(中略)抗議内容は、朝鮮人「慰安婦」は、強制 連行ではなかった、捏造映画である、日本の政府見解に反する映画であり上映そのものに断 固抗議するというものです。憎悪に満ちたヘイトスピーチでもあります。 こうした事実ではない誹謗中傷、公然となされる妨害行為は、映画に登場する「慰安婦」被害者を傷付け、尊厳を踏みにじるセカンドレイプそのものです。今こうした抗議、妨害行為に対して私達がなしうることは、1人でも多くの人を集めて『沈 -立ち上がる慰安婦』を上映することです。 いったいどういう映画なのか、みなさんぜひ映画をみにきてください。地域で自主上映を開き、皆様の手でこの映画の上映会をぜひ開催してください。この上映運動の自由と権利までをも脅かすあらゆる行為行動に対し、私たちは弁護団、そして日韓の市民の皆さんと力を合わせて立ち向かいたいと思っています。
※声明は、12月6日、横浜地裁仮処分決定後の記者会見で配布された




2018年12月7日金曜日

右翼の妨害に仮処分

横須賀市で市民主催の映画上映会を妨害しようとしている右翼団体に対して、横浜地裁は会場近くでの妨害行為を禁じる仮処分決定を出しました。
この仮処分申し立ては、神原元弁護士が全国の弁護士に呼びかけて行われました。神原弁護士は植村裁判では東京訴訟の弁護団事務局長をしています。申し立てには100人の弁護士が名を連ね、札幌訴訟弁護団の小野寺信勝事務局長も加わりました。
仮処分決定を報じる朝日新聞記事を以下に引用します。


【朝日新聞2018.12.7朝刊、第3社会面】

慰安婦テーマの映画、上映妨害に禁止命令 横浜地裁、仮処分決定

慰安婦問題をテーマにしたドキュメンタリー映画の上映会が妨害される危険性があるとして、神奈川県横須賀市で上映会を企画した男性が右翼団体を相手取り、妨害行為の禁止を求めた仮処分申し立てで、横浜地裁(宮沢睦子裁判官)は6日、この団体に対し、上映会場から半径300メートル以内での妨害行為を禁ずる決定を出した。

映画は同県在住の朴寿南(パクスナム)さん(83)が監督し、韓国人元慰安婦らが日本に謝罪を求めて訴える姿を描いた「沈黙―立ち上がる慰安婦」。
昨年から各地で上映会が開かれ、横須賀市でも市民らによる実行委員会が8日の上映会開催を予定している。
映画をめぐっては、10月16日の同県茅ケ崎市での上映会で、街宣車が会場周辺で上映中止を要求。11月28日の横浜市での上映会でも、右翼団体の構成員とみられる男性が会場内に入ろうとし、主催者に制止される騒ぎが続いた。
横浜地裁は決定で、それぞれの上映会は「(団体の)構成員または関連団体が妨害行為をしたと認められる」と認定したうえで、「(8日も)妨害行為をするおそれがある」と判断した。
朴さんは決定後の記者会見で、「生きた心地がしませんでした。映画を守ろうと応援してくださる市民に感謝します」と語った。(編集委員・北野隆一)
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■横須賀の上映会案内



■映画「沈黙――立ち上がる慰安婦」上映日程




2018年12月5日水曜日

緊急出版!本日発売

「慰安婦報道『捏造』の真実」
植村裁判取材チーム・編、花伝社・刊
12月5日、全国いっせい発売
amazonでもOK!



内容・筆者(植村裁判取材チーム)・ページ

 問われる「慰安婦報道」とジャーナリズム(北野隆一) p3-5
――植村裁判を検証する目的と意義

 個人攻撃の標的にされた「小さなスクープ」(水野孝昭) p6-17
――報道の歴史に特筆すべき「植村記事」の大きな価値

 櫻井よしこが世界に広げた「虚構」は崩れた(佐藤和雄) p18-31
――「慰安婦=強制連行ではない」というストーリーの崩壊

 西岡力は自身の証拠改変と「捏造」を認めた(水野孝昭) p32-44
――「ない」ことを書き、「ある」ことを書かなかった「利害」関係者

 櫻井と西岡の主張を突き崩した尋問場面(構成・中町広志) p45-100
――法廷ドキュメント
(1)櫻井よしこ尋問 自ら認めた杜撰な取材と事実の歪曲
(2)西岡力尋問  明らかになった重要証拠の重大改変

 「真実」は不問にされ、「事実」は置き去りにされた(長谷川綾) p101-111
――しかし、「植村記事は捏造」を判決は認めていない

 植村裁判札幌訴訟判決 判決要旨 p112-116

 
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2018年11月30日金曜日

植村さんの最終陳述

11月28日にあった東京訴訟の第14回口頭弁論で植村隆さんが行った最終意見陳述の全文を再掲します。植村さんは3年7カ月にわたった裁判(東京訴訟)の結審にあたって、西岡力氏と文春をあらためて強く批判し、最後に裁判長に対して「正義が実現する判決を」と求めました。約10分間の陳述が終わると、法廷では3、4人から拍手が起こりました。法廷での拍手は、東京と札幌で計27回におよんだ植村裁判で初めてでした。

「植村捏造バッシング」は
様々な被害をもたらした
巨大な言論弾圧、人権侵害事件だ



■最終意見陳述全文
「私の書いた慰安婦問題の記事が、捏造でないことを説明させてください」。いまから、4年10か月ほど前の2014年2月5日、神戸松蔭女子学院大学の当局者3人に向かって、私はこう訴えました。場所は神戸のホテルでした。私は同大学に公募で採用され、その年の春から、専任教授として、マスメディア論などを担当することになっていました。テーブルの向かいに座った3人の前に、説明用の資料を置きました。しかし、誰も資料を手に取ろうとしませんでした。「説明はいらない。記事が正しいか、どうか問題ではない」というのです。 緊張した表情の3人は、こんなことを言いました。「週刊文春の記事を見た人たちから『なぜ捏造記者を雇用するのか』などという抗議が多数来ている」「このまま4月に植村さんを受け入れられる状況でない」

要するに大学に就職するのを辞退してくれないか、という相談でした。採用した教員である私の話をなぜ聞いてくれないのか。怒りと悲しみが、交錯しました。面接の後、「70歳まで働けますよ」と言っていた大学側が、180度態度を変えていました。

その週刊文春の記事とは、1月30日に発売された同誌2014年2月6日号の「“慰安婦捏造”朝日新聞記者がお嬢様女子大教授に」のことです。その記事が出てから、大学側に抗議電話、抗議メールなどが毎日数十本来ているという説明でした。私は、この週刊文春の記事が出たことで、大学当局者に呼び出されたのです。当局者によれば、産経新聞にもこの文春の記事が紹介され、さらに拡散しているとのことでした。私の記事が真実かどうかも確かめず、教授職の辞退を求める大学側に、失望しました。結局、私は同大学への転職をあきらめるしかありませんでした。

打ち砕かれた私の夢
この週刊文春の記事で、日本の大学教授として若者たちを教育したいという私の夢は実現を目前にして、打ち砕かれました。そして、激しい「植村捏造バッシング」が巻きおこったのです。「慰安婦捏造の元朝日記者」「反日捏造工作員」「売国奴」「日本の敵 植村家 死ね」など、ネットに無数の誹謗中傷、脅し文句を書き込まれました。自宅の電話や携帯電話にかかってくる嫌がらせの電話に怯え、週刊誌記者たちによるプライバシー侵害にもさらされました。私自身への殺害予告だけでなく、「娘を殺す」という脅迫状まで送られてきました。殺害予告をした犯人は捕まっておらず、恐怖は続いています。いまでも札幌の自宅に戻ると、郵便配達のピンポンの音にもビクビクしてしまいます。週刊文春の記事によって、私たち家族が自由に平穏に暮らす権利を奪われたのです。そして、家族はバラバラの生活を余儀なくされました。私は日本の大学での職を失い、一年契約の客員教授として韓国で働いています。

神戸松蔭との契約が解消になった後、週刊文春は、私が札幌の北星学園大学の非常勤講師をしていることについても、書き立てました。このため、北星にも、植村をやめさせないなら爆破するとか学生を殺すなどという脅迫状が来たり、抗議の電話やメールが殺到したりしました。このため、北星は2年間で約5千万円の警備関連費用を使うことを強いられました。学生たちや教職員も深い精神的な苦痛を受けました。北星も「植村捏造バッシング」の被害者になったのです。
 
責任回避する西岡力、文春竹中氏に強い憤り
私を「捏造記者」と決めつけた週刊文春記者の竹中明洋氏、そして週刊文春の記事に「捏造記事と言っても過言ではありません」とのコメントを出した西岡力氏の2人が今年9月5日の尋問に出廷しました。神戸松蔭に対し電話で、私の「捏造」を強調した竹中氏は、「記憶にありません」と詳細な回答を避けました。本人尋問では、西岡氏が私の記事を「捏造」とした、その根拠の記述に間違いがあったことが明らかになりました。また、西岡氏自身が自著の中で、証拠を改ざんしていたことも判明しました。それこそ、捏造ではありませんか。「捏造」と言われることは、ジャーナリストにとって「死刑判決」を意味します。人に「死刑判決」を言い渡しておいて、その責任を回避する2人の姿勢には強い憤りを感じています。

「植村捏造バッシング」には、当時高校2年生だった私の娘も巻き込まれました。ネットに名前や高校名、顔写真がさらされました。「売国奴の血が入った汚れた女。生きる価値もない」「こいつの父親のせいでどれだけの日本人が苦労したことか。(中略)自殺するまで追い込むしかない」などと書き込まれました。娘への人権侵害を調査するため、女性弁護士が娘から聞き取りをした時、私に心配かけまいと我慢していた娘がポロポロと大粒の涙を流し、しばらく止まりませんでした。私は胸が張り裂ける思いでした。


「植村捏造バッシング」の扇動者である西岡力氏と週刊文春に対する裁判がきょう、結審します。慰安婦問題の専門家を自称して様々な媒体で、私を「捏造」記者だと繰り返し決め付けてきた西岡氏と、週刊誌として日本最大の発行部数を誇る週刊文春がもし、免責されるなら、「植村捏造バッシング」はなぜ起きたのかわからなくなります。「植村捏造バッシング」は幻だった、ということになります。しかし「植村捏造バッシング」は幻ではなく、様々な被害をもたらした巨大な言論弾圧・人権侵害事件なのです。

言論の自由が守られ、正義が実現する判決を
私は1991年に当時のほかの日本の新聞記者が書いた記事と同じような記事を書いただけです。それなのに、二十数年後に私だけ、「捏造記者」とバッシングされるのは、明らかにおかしいことです。こんな「植村捏造バッシング」が許されるなら、記者たちは萎縮し、自由に記事を書くことができなくなります。こんな目にあう記者は私で終わりにして欲しい。そんな思いで私は、「捏造記者」でないことを訴え続けてきました。「植村捏造バッシング」を見過ごしたら、日本の言論の自由は守られないと立ち上がってくれた弁護団の皆さん、市民の皆さん、ジャーナリストの皆さんたちの支えがあって、ここまで裁判を続けて来られました。

裁判長におかれては、弁護団が積み重ねてきた「植村が捏造記事を書いていない」という事実の一つ一つを詳細に見ていただき、私の名誉が回復し、言論の自由が守られ、正義が実現するような判決を出していただきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。

2018年11月28日水曜日

東京判決は来年3月

update 11/29   7:00am
update 11/29 21:00pm

2019年3月20日(水)午前11時、判決言い渡し
東京訴訟 審理14回、3年7カ月で結審

植村裁判東京訴訟の第14回口頭弁論は11月28日午後2時から、東京地裁103号法廷であり、原告被告双方が最終準備書面の陳述(提出)を行って、すべての審理を終了した。判決言い渡しは2019年3月20日午前11時に行われる。2015年4月27日に始まった東京訴訟は、3年7カ月の時間を費やして結審し、判決を待つことになった。

この日の法廷に、植村弁護団は中山武敏団長はじめ17人が出廷した。被告側席には、いつものように西岡氏の姿はなく、喜田村洋一、藤原大輔の2弁護士が座った。ふたりの席のテーブルには青と黄の10冊のファイルが積み上げられていた。傍聴抽選はなかったが、傍聴席はほぼ満席となった。
植村弁護団は、神原元・事務局長が最終準備書面の要旨を口頭で補足し、続いて植村氏が最後の意見陳述を約10分にわたって行った。植村氏の陳述が終わると、傍聴席の3、4人が拍手をした。法廷で拍手が起きたのは東京、札幌訴訟を通じて初めてだった。原克也裁判長は「これで弁論は終了します」と宣言し、判決言い渡しを2019年3月20日(水)午前11時に行う、と述べ、午後2時20分閉廷した。


東京地方はこの日、初冬とは思えぬおだやかな小春日和となった。報告集会は、午後3時から、紅葉が映える日比谷公園の一角、日比谷図書文化館の4階スタジオプラス小ホールで開かれ、約80人の参加者で満員となった。
集会では、神原弁護士の報告の後、札幌弁護団の渡辺達生弁護士が札幌判決の問題点を説明し、控訴審で争点になるポイントを解説した。続いて東京弁護団の穂積剛、泉澤章、角田由紀子、梓沢和幸、宇都宮健児、吉村功志、殷勇基、永田亮弁護士が、西岡尋問の要点、判決の見通しや、司法を取り巻く最近の状況、植村裁判と支援の意味、などについて、語った。
集会の後半では、北星バッシングのころから植村氏を支援してきた内海愛子氏(恵泉女学園大学名誉教授)が挨拶し、植村氏を励ました後、12月5日に発売されるブックレット「慰安婦報道「捏造」の真実」(花伝社、120ページ、1000円)の執筆陣4人が、発行のねらいや内容の紹介をした。集会の最後に植村氏はこう語った。「この本(花伝社ブックレット)にも記録されているが、櫻井さんや西岡さんの誤りは札幌と東京の裁判で明らかになっている。私たちのたたかいは正しいたたかいであったことが現代史の中で記録され続けている。私は(札幌敗訴に)失望していない。これから東京の判決、札幌の控訴審と続くが、常識があれば、常識が通じれば、勝てる、それを信じてたたかい続ける」
photo by TAKANAMI

■神原元弁護士の陳述(要旨説明)
①被告西岡氏の「捏造」決めつけは、論評・意見ではなく、事実の摘示である。
②「捏造」は、意図的に事実をねじ曲げることであるから、被告西岡氏は植村氏に故意があったことを立証しなければならないが、できていない
③植村氏の記事にある「女子挺身隊として送られた」は、地の文として書かれており、金学順さんの発言をそのまま引用したものではなく、金さんの立場や境遇を植村氏が要約して表現したものだから、金さんが録音テープの中でそのように語ったかふどうかを被告側が問題とするのはナンセンス(誤り)だ、
④被告西岡氏は、金さんのキーセン学校の経歴を書かなかったことを「捏造」決めつけの根拠のひとつとしているが、植村氏はそれがどうしても書かなければならない重要なことだとは考えていなかったのだから、その決めつけはあたらない。1991年当時、他紙の報道もキーセン学校の経歴は書いておらず、それが一般的な解釈であったことは、西岡氏も本人尋問で認めていることではないか
④西岡氏の植村氏に対するバッシングはあまりにも理不尽で、根拠がない

植村氏の最終意見陳述(全文)
「私の書いた慰安婦問題の記事が、捏造でないことを説明させてください」。いまから、4年10か月ほど前の2014年2月5日、神戸松蔭女子学院大学の当局者3人に向かって、私はこう訴えました。場所は神戸のホテルでした。私は同大学に公募で採用され、その年の春から、専任教授として、マスメディア論などを担当することになっていました。テーブルの向かいに座った3人の前に、説明用の資料を置きました。しかし、誰も資料を手に取ろうとしませんでした。「説明はいらない。記事が正しいか、どうか問題ではない」というのです。 緊張した表情の3人は、こんなことを言いました。「週刊文春の記事を見た人たちから『なぜ捏造記者を雇用するのか』などという抗議が多数来ている」「このまま4月に植村さんを受け入れられる状況でない」

要するに大学に就職するのを辞退してくれないか、という相談でした。採用した教員である私の話をなぜ聞いてくれないのか。怒りと悲しみが、交錯しました。面接の後、「70歳まで働けますよ」と言っていた大学側が、180度態度を変えていました。

その週刊文春の記事とは、1月30日に発売された同誌2014年2月6日号の「“慰安婦捏造”朝日新聞記者がお嬢様女子大教授に」のことです。その記事が出てから、大学側に抗議電話、抗議メールなどが毎日数十本来ているという説明でした。私は、この週刊文春の記事が出たことで、大学当局者に呼び出されたのです。当局者によれば、産経新聞にもこの文春の記事が紹介され、さらに拡散しているとのことでした。私の記事が真実かどうかも確かめず、教授職の辞退を求める大学側に、失望しました。結局、私は同大学への転職をあきらめるしかありませんでした。

この週刊文春の記事で、日本の大学教授として若者たちを教育したいという私の夢は実現を目前にして、打ち砕かれました。そして、激しい「植村捏造バッシング」が巻きおこったのです。「慰安婦捏造の元朝日記者」「反日捏造工作員」「売国奴」「日本の敵 植村家 死ね」など、ネットに無数の誹謗中傷、脅し文句を書き込まれました。自宅の電話や携帯電話にかかってくる嫌がらせの電話に怯え、週刊誌記者たちによるプライバシー侵害にもさらされました。私自身への殺害予告だけでなく、「娘を殺す」という脅迫状まで送られてきました。殺害予告をした犯人は捕まっておらず、恐怖は続いています。いまでも札幌の自宅に戻ると、郵便配達のピンポンの音にもビクビクしてしまいます。週刊文春の記事によって、私たち家族が自由に平穏に暮らす権利を奪われたのです。そして、家族はバラバラの生活を余儀なくされました。私は日本の大学での職を失い、一年契約の客員教授として韓国で働いています。

神戸松蔭との契約が解消になった後、週刊文春は、私が札幌の北星学園大学の非常勤講師をしていることについても、書き立てました。このため、北星にも、植村をやめさせないなら爆破するとか学生を殺すなどという脅迫状が来たり、抗議の電話やメールが殺到したりしました。このため、北星は2年間で約5千万円の警備関連費用を使うことを強いられました。学生たちや教職員も深い精神的な苦痛を受けました。北星も「植村捏造バッシング」の被害者になったのです。
 
私を「捏造記者」と決めつけた週刊文春記者の竹中明洋氏、そして週刊文春の記事に「捏
造記事と言っても過言ではありません」とのコメントを出した西岡力氏の2人が今年9月5日の尋問に出廷しました。神戸松蔭に対し電話で、私の「捏造」を強調した竹中氏は、「記憶にありません」と詳細な回答を避けました。本人尋問では、西岡氏が私の記事を「捏造」とした、その根拠の記述に間違いがあったことが明らかになりました。また、西岡氏自身が自著の中で、証拠を改ざんしていたことも判明しました。それこそ、捏造ではありませんか。「捏造」と言われることは、ジャーナリストにとって「死刑判決」を意味します。人に「死刑判決」を言い渡しておいて、その責任を回避する2人の姿勢には強い憤りを感じています。

「植村捏造バッシング」には、当時高校2年生だった私の娘も巻き込まれました。ネットに名前や高校名、顔写真がさらされました。「売国奴の血が入った汚れた女。生きる価値もない」「こいつの父親のせいでどれだけの日本人が苦労したことか。(中略)自殺するまで追い込むしかない」などと書き込まれました。娘への人権侵害を調査するため、女性弁護士が娘から聞き取りをした時、私に心配かけまいと我慢していた娘がポロポロと大粒の涙を流し、しばらく止まりませんでした。私は胸が張り裂ける思いでした。

「植村捏造バッシング」の扇動者である西岡力氏と週刊文春に対する裁判がきょう、結審します。慰安婦問題の専門家を自称して様々な媒体で、私を「捏造」記者だと繰り返し決め付けてきた西岡氏と、週刊誌として日本最大の発行部数を誇る週刊文春がもし、免責されるなら、「植村捏造バッシング」はなぜ起きたのかわからなくなります。「植村捏造バッシング」は幻だった、ということになります。しかし「植村捏造バッシング」は幻ではなく、様々な被害をもたらした巨大な言論弾圧・人権侵害事件なのです。

私は1991年に当時のほかの日本の新聞記者が書いた記事と同じような記事を書いただけです。それなのに、二十数年後に私だけ、「捏造記者」とバッシングされるのは、明らかにおかしいことです。こんな「植村捏造バッシング」が許されるなら、記者たちは萎縮し、自由に記事を書くことができなくなります。こんな目にあう記者は私で終わりにして欲しい。そんな思いで私は、「捏造記者」でないことを訴え続けてきました。「植村捏造バッシング」を見過ごしたら、日本の言論の自由は守られないと立ち上がってくれた弁護団の皆さん、市民の皆さん、ジャーナリストの皆さんたちの支えがあって、ここまで裁判を続けて来られました。

裁判長におかれては、弁護団が積み重ねてきた「植村が捏造記事を書いていない」という事実の一つ一つを詳細に見ていただき、私の名誉が回復し、言論の自由が守られ、正義が実現するような判決を出していただきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。


2018年11月24日土曜日

東京訴訟28日結審

元朝日新聞記者の植村隆さんが、元東京基督教大教授・西岡力氏と文藝春秋を名誉毀損で訴えた「植村裁判東京訴訟」は、28日に開かれる第14回口頭弁論で審理が終了します。2015年4月に始まり、結審まで3年7カ月の時間を費やしたことになります。この後、来春に予想される判決言い渡しの日時は、この日の法廷で明らかになるものとみられます。

この弁論で双方の弁護団は、これまでの主張を整理補足した最終準備書面を提出するものとみられます。植村弁護団は同書面で、本人尋問(前回9月5日)で西岡力氏が重大な証拠改変を認めたことをふまえ、「被告西岡による名誉毀損行為の悪質性」についての主張を大幅に補充するものとみられます。また、植村氏は最終の意見陳述書を提出する予定です。一方、被告側は、植村氏に対する「捏造」との批判は、意見・論評の域を逸脱していない、との従来の主張を展開するものとみられます。

11月28日(水)の日程

■第14回口頭弁論 午後2時開廷、東京地裁103号法廷
傍聴希望者は早めに裁判所にお越しください

■報告集会 午後3時~4時30分、日比谷図書文化館・スタジオプラス小ホール map
前半)弁護団報告・最終準備書面で訴えたもの
後半)執筆チームが語る緊急出版『慰安婦報道「捏造」の真実』の読みどころ
主催:植村東京訴訟支援チーム
共催:新聞労連、メディア総合研究所、日本ジャーナリスト会議
資料代500円