2018年1月13日土曜日

証人尋問詳細決まる

札幌訴訟

2月16日(金) 喜多義憲氏(元道新ソウル特派員)13:30-15:30
3月23日(金) 植村隆氏、櫻井よしこ氏 10:30-17:00

証人尋問が行われる次回法廷をどう開くか、注目の進行協議が札幌地裁で1月11日開かれた。協議の結果、原告側が証人申請していた喜多義憲氏(元北海道新聞ソウル特派員)の採用が決まった。被告側は西岡力氏(元東京基督教大学教授、「植村裁判東京訴訟」の被告)と秦郁彦氏(歴史学者)の2人を申請していたが、裁判所は2人とも認めなかった。
証人尋問は札幌地裁で2月16日午後1時半から行われる。証人申請した側が行う主尋問が30分、被告側の反対尋問が60分の予定。

また証人尋問の次に予定されている当事者尋問の詳細も決まった。3月23日午前10時半から午後5時までの終日。午前中は植村さんへの主尋問(60分)、午後からは植村さんへの反対尋問(90分)があり、その後の櫻井よしこ氏への被告側主尋問は30分、反対尋問は60分とされた。

■西岡力、秦郁彦両氏の申請は認めず
この日の進行協議について、植村弁護団の小野寺信勝事務局長は、同夜に開かれた「植村裁判を支える新春の集い」で、「前回の進行協議でも裁判所は被告側申請の2人とも認めなかった。今日の協議では西岡氏だけでも採用を、と主張したが、裁判所はこれを一蹴した。ほかにも被告側の細かい抵抗はあったが、裁判所はその主張をすべて排斥した。採用された証人は、私たちが申請した喜多さんただ一人だった」と語った。

また、これからの展開について、「証人尋問と当事者尋問が裁判のヤマ場。尋問を受けて、最終書面を結審のときに出す。おそらく5月か6月ぐらいに結審。判決は9月か10月、秋ぐらいに出ると思う。今年は植村裁判のまさに正念場。みなさんの運動や裁判活動が結実する重要な年になる。裁判は佳境を迎えており、みなさんのもうひと踏ん張りの支援をいただきたい」と話した。

■この戦いは五分五分を超えた!
喜多氏だけが証人採用されたことには大きな意味がある。
弁護団共同代表の伊藤誠一弁護士は次のように話し、「新春の集い」を締めくくった。
裁判所は論点ごとに、どちらの主張に説得力があるか、証拠に照らして検討していく。紙ベースでは西岡論文など被告側からも多くの書面が出ているが、法廷での証言も、重視される証拠となる。第三者の喜多さんは、事案にふさわしいことを証言できる証人だ。喜多さんだけを採用したことは、他の人の話は聞く必要がないということ。裁判所は櫻井氏らの行為が名誉棄損かどうか、西岡氏らの話を聞かなくても判断できるとしたことを意味する。ここまでの戦いは五分五分を超えて、植村さんの主張が裁判所に受け入れられていると感じる」
問題はこれからだ。当事者尋問で植村さん、櫻井氏が法廷で自分の言い分を述べるのは当たり前のこと。陳述の矛盾を突いて反対尋問がなされるが、それで崩れるようなら2人ともダメだ。勝負はそこ(当事者尋問)ではない。傍聴している人たちが納得できるような喜多さんの話を、証人尋問で引き出せるかどうかだ」
「私たちが喜多さんを証人として連れて来ることができたのはどうしてか? 弁護団が100人もいるからではない。証言したあと攻撃されるようなところへ誰も腰を上げたりしない。この裁判を支えていてくださる皆さんがいるから、喜多さんも勇気を出して来てくれる。みなさんが彼を後押ししてくれた。その点でも植村裁判は意味のある訴訟だと思う。今年はヤマ場です。よろしくお願いします」

text by H.H

「新春の集い」は北海道自治労会館で午後6時過ぎから始まり、約70人が参加した。秋にも地裁判決が出る見通しになった正念場の年。「植村裁判を支える市民の会」の上田文雄共同代表の音頭で乾杯の後、裁判報告、植村隆さんの飛び切り元気な近況報告、弁護団への「何でもあり質問」などの2時間余、なごやかで、熱い集会が続いた。
2018年1月11日、植村裁判を支える新春の集い