2016年11月4日金曜日

wamへの攻撃を許さない

植村裁判を支える市民の会は、「女たちの戦争と平和資料館wam」に対して向けられた爆破予告攻撃について、11月4日、声明を発表しました。
爆破予告攻撃の詳細は、「女たちの戦争と平和資料館wam」が10月29日に新聞各社、通信社に送付した呼びかけ文「言論を暴力に結びつけない社会を」をご参照ください。 こちら


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声明 「女たちの戦争と平和資料館wam」への攻撃を許さない!

2016年11月4日
植村裁判を支える市民の会

だれが、戦場で、不特定多数の軍による性の強制を望むだろう。
どこに、蹂躙された名誉の回復を望まない人がいるだろう。
なぜ、不当な扱いに謝罪を求める道理が否定されるのだろう。

「女たちの戦争と平和資料館wam」は、日本軍「慰安婦」など戦禍に巻き込まれた女性の声を集めた資料館だ。
そのwamに匿名の爆破予告が来た。「爆破する 戦争展示物を撤去せよ」という。
これは、日本軍「慰安婦」の被害女性たちの声を消せ、という脅しだ。
戦争に泣いた人々の心を、戦後70年を経て、もう一度爆破する、という犯罪だ。
決して取り戻せない過去であっても、償いによって未来を築こうとする現在の努力を砕く企みだ。
私達は、この脅しに断固反対し、wamを支持する。

戦争当時、多くの女性は、政治への参加権を持たず、人権の保障もなく、教育も満足に受けられなかった。
男の政治家と軍人が始めた戦争に巻き込まれ、命を落とし、深い傷を心身に負った。海を越えて軍隊を送った日本でも、女性の参政権は敗戦までなかった。
考えてみよう。「慰安婦」が、自身のつらい体験を公に伝えるため、どれだけの勇気を要し、犠牲を払ったか。
戦場で女性を陵辱し、殺傷した、あまたいるはずの兵士が名乗りでないのは、女性たちが負った傷の深さの裏返しだ。
それを乗り越えた女性たちの声を破壊するあらゆる試みは許されない。

私達は、もう一つの危機をwamと共有する。

wamへの攻撃は、これまでも電話、街宣、ネットなどで繰り返されてきた。
爆破予告は初めてだ。
慰安婦問題のユネスコ記憶遺産への登録を巡り、産経新聞でwamへの批判記事が急増していることと、無関係だろうか。個人名まで出し、櫻井よし子氏らがwamを非難している。ネットでは、櫻井氏の言説を引用する匿名のwam攻撃が続いている。個人の写真、氏名を晒している。

植村裁判を支える市民の会は、同じ体験を持つ。
植村裁判は、朝日新聞記者時代の1991年、日本軍「慰安婦」の記事を書き、やはり爆破予告などで脅された元北星学園大学非常勤講師、植村隆氏の名誉毀損訴訟だ。植村氏の記事を「捏造」と決めつける櫻井よし子氏、西岡力氏と出版社を訴えた。両氏は、産経新聞で繰り返し慰安婦問題を否定している。
ネットでは匿名の勢力が、当時17歳だった植村氏の長女の写真と氏名を晒し「自殺に追い込む」と攻撃している。

wamは10月29日、産経新聞及び報道各社に「言論を暴力に結びつけない社会を」と呼び掛けた。
「産経新聞は歴史認識の違いを『歴史戦』と名付け、歴史をめぐる言論を『戦争』という暴力に結びつけて語っています。同調者たちへの影響力は計り知れないものがあり(略)。言論を暴力や人権侵害に結びつけない努力こそが,今私達に求められています」
私達も「歴史戦」を非難する。
歴史戦は、歴史の事実に目をつむるばかりか、闇に葬ろうとする。
言論の名を借り、民主主義を破壊する。
私達は戦争被害者の声を守る。
歴史の実相に目をこらし続ける。

wamを孤立させてはならない。

私達もwamだ。

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