2016年7月14日木曜日

朝日バッシング訴訟

記事最新更新日:2017年3月9日

ほとんど報道されていないことだが、いま朝日新聞社は、慰安婦報道をめぐって3つの団体から訴えを起こされている。いずれも朝日新聞の慰安婦報道は「誤報」だとし、人格権や、知る権利、日本と日本人の名誉が傷つけられた、などと主張している。
いずれの団体も、従軍慰安婦が存在した事実を否定しようとする「歴史修正主義」勢力と密接な関係を持っている。「朝日新聞を糺す国民会議」弁護団のひとり高池勝彦氏は、植村裁判では櫻井よしこ氏の弁護人をつとめています。「朝日バッシング」に裁判所がどう答えるか、判決が注目される。
3つの訴訟の概要と進行状況は次の通り。


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「朝日新聞を糺す国民会議」による訴訟
=朝日新聞の誤報によって人格権や名誉権を毀損されたとして、2万5千人が原告となって朝日新聞社を訴えている。「チャンネル桜」や「頑張れ日本!全国行動委員会」が主導し、朝日新聞東京本社と大阪本社前で毎週、街宣活動をしているグループだ。口頭弁論は2016年3月17日の第3回で打ち切られ、結審した。原告は裁判官忌避や弁論再開を申し立てたが、いずれも却下された。判決は7月28日(木)午後3時から東京地裁103号法廷で言い渡された。
原告敗訴、朝日勝訴 (2016.7.29付、朝日新聞記事) 
慰安婦報道訴訟、朝日新聞社勝訴 「記事、名誉毀損に当たらぬ」 東京地裁
朝日新聞の慰安婦に関する報道で「国民の名誉が傷つけられた」とし、渡部昇一上智名誉教授ら国内外の2万5722人が朝日新聞社に謝罪広告や1人1万円の慰謝料を求めた訴訟の判決で、東京地裁(脇博人裁判長)は28日、原告の請求を棄却した。原告は控訴する方針。
対象は、慰安婦にするため女性を無理やり連行したとする故吉田清治氏の証言記事など、1982~94年に掲載された計13本の記事。原告側は「日本国民の国際的評価を低下させ、国民的人格権や名誉権が傷つけられた」と訴えた。
判決は、記事は旧日本軍や政府に対する報道や論評で、原告に対する名誉毀損(きそん)には当たらないとした。報道によって政府に批判的な評価が生じたとしても、そのことで国民一人一人に保障されている憲法13条の人格権が侵害されるとすることには、飛躍があると指摘した。また、掲載から20年以上過ぎており、仮に損害賠償の請求権が発生したとしてもすでに消滅している、とも述べた。
朝日新聞社広報部は「弊社の主張が全面的に認められた、と受け止めています」との談話を出した。

原告は東京高裁に控訴
原告は1審敗訴後に控訴人を57人に絞り込んで東京高裁に控訴した。
控訴審第1回は2017年2月21日午前11時から東京高裁101号法廷で開かれた。
2回は6月2日、東京高裁101号法廷で開かれる予定。


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「朝日新聞を正す会」による訴訟
=朝日新聞の慰安婦問題の誤報で「知る権利」が侵されたなどとして、480人余が朝日新聞社を相手取り訴えた。6月24日に結審した。

原告敗訴、朝日勝訴(2016.9.17付、朝日新聞記事)
慰安婦報道巡り、本社勝訴の判決 東京地裁
朝日新聞の慰安婦に関する報道で「知る権利を侵害された」として、購読者を含む482人が朝日新聞社に1人あたり1万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は16日、原告の請求を棄却した。北沢純一裁判長は「記事は特定の人の名誉やプライバシーを侵害しておらず、原告は具体的な権利侵害を主張していない」などと述べた。原告側は控訴する方針。
対象は、慰安婦にするために女性を無理やり連行したとする故吉田清治氏の証言記事など。判決は、新聞社の報道内容について「表現の自由の保障のもと、新聞社の自律的判断にゆだねられている」と指摘。「一般国民の知る権利の侵害を理由にした損害賠償請求は、たやすく認められない」と述べた。
朝日新聞広報部は「弊社の主張が全面的に認められた、と受け止めています」との談話を出した。

2審も原告敗訴、朝日勝訴 
東京高裁判決 2017年3月1日

◆「朝日新聞を正す会」による甲府訴訟
「朝日新聞を正す会」の呼びかけで150人が甲府地裁に提訴した集団訴訟の第1回口頭弁論が11月8日午前10時30分から、同地裁211号法廷で開かれた。この日の法廷に出たのは弁護士1人のみで、提訴時に県庁で会見した「正す会」の事務局長や埼玉県内在住の原告らの姿はなし。多数の傍聴を予想した裁判所側は10人ほどの職員を動員して警備にあたったが、行列に並んで傍聴券を受け取ったのはたった1人(朝日新聞甲府総局長)、記者席に座ったのはたった2人だった。

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◆いわゆる「朝日・グレンデール訴訟」
=在米日本人ら2500人が、「朝日が慰安婦問題の誤報を国際的に拡散させたことから米国のグレンデールという町などで慰安婦像が建立され、日本と日本人の名誉が傷つけられた」などとして朝日新聞社を訴えている。2016年7月14日(木)午後2時から東京地裁522号法廷で第5回口頭弁論が開かれた。日本会議系の人々が支援している。

第8回口頭弁論11月24日(木) 原告側が申請していた本人尋問や証人尋問は却下
第9回口頭弁論12月22日(木) 最終弁論を行い、結審
判決は2017年4月27日(木)午後1時15分、東京地裁522号法廷

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