2017年2月1日水曜日

沖縄タイムスも掲載

植村隆さんの沖縄講演会を前に、地元紙「沖縄タイムス」がきょう1日の朝刊文化面に「支える会」事務局の七尾寿子さんの寄稿を掲載しています。1月30日の「琉球新報」に次ぐ第2弾です。どちらも文化面の大きな扱い。しかも、「支える会」からの訴えと呼びかけがほぼ全文、記事化されています。植村さんの講演会をこれほどていねいに開催前に紹介した新聞社は沖縄2紙が初めてです。両紙への感謝と敬意、そして応援の思いを込めつつ、以下に全文を収録します。


■「捏造」中傷はね返す 3・4日、植村氏迎え集会
植村隆氏の集いとトークに寄せて 七尾寿子 
元朝日新聞記者の植村隆さんは、1991年に書いた元日本軍「慰安婦」に関する記事がもとで「捏造(ねつぞう)記者」というレッテルを貼られ、いまなお誹謗(ひぼう)中傷を受け続けている。

発端は、週刊文春2014年2月6日号の記事「〝慰安婦捏造”朝日新聞記者がお嬢様女子大教授に」だった。転職先に決まっていた大学に抗議が殺到し、教授就任を断念せざるを得なくなった。
14年5月からは、非常勤講師を務める札幌の北星学園大学にも「国賊をやめさせろ」「学生をいためつける」など脅迫・嫌がらせのメールや電話が押し寄せ、ネット上に植村さんの当時17歳の娘の写真と実名がさらされ「自殺するまで追い込むしかない」などと書き込まれる事態になった。

「大学、植村さん家族を脅迫から守ろう。私たちも北星だ」と立ち上がったのは市民だった。北星学園大学に応援メッセージを送るなど大学を励ます「負けるな北星!の会」(略称・マケルナ会)には国内外の1千人が加わり、全国の400人近い弁護士が脅迫者を威力業務妨害罪で札幌地検に刑事告発するなど、支援の輪は大きく広がり、この応援を力に、北星学園大学は14年12月、植村さんの次年度雇用継続を決めた。

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朝日新聞の第三者委員会、歴史家、当時取材していた記者らによって完全否定されても、「捏造」のレッテル貼りは執拗(しつよう)に続いている。脅迫、嫌がらせを根絶するには捏造記者という汚名をそそぐしかないと植村さんは2015年1月、記事を「捏造」と断定する西岡力東京基督教大学教授と、週刊文春を発行する文芸春秋を名誉毀損(きそん)で東京地裁に提訴し、翌2月には、ジャーナリスト櫻井よしこさん、週刊新潮など3社を相手に、札幌地裁に同様に提訴した。

この間の異常ともいえる植村さんへの攻撃は、基本的人権、学問の自由、報道・表現の自由、そして日本の民主主義に向けられている。
女性が生と性をじゅうりんされた日本軍「慰安婦」を、なかったことにし、歴史を書き換え、ものを言わせぬ社会に再び導こうとする黒い意志に巻き込まれてはならない。この裁判は、植村さんの名誉回復のみならず、私たちの社会の将来に大きな影響を及ぼす。

植村さんは2016年3月から韓国のカトリック大学校客員教授に就任し、東京、札幌で裁判を闘う生活を続けている。さらに、「私は捏造記者ではない」「私が闘うことは、『慰安婦』にされた女性たちの尊厳の闘いにつながる」と北海道や九州など各地での講演を重ねている。(植村裁判を支える市民の会事務局)
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4日(土)午後2~5時、沖縄大学3号館101教室で、植村隆氏を招き言論表現の自由、報道、人権、労働問題などについて考える集いを開催。参加自由。資料代500円。問い合わせは米倉さん、電話090(1947)6327。
3日(金)午後6時からはジュンク堂書店那覇店で、植村さんの著書「真実~私は捏造記者ではない」のトークイベントを行う。問い合わせは同書店、電話098(860)7175。