慰安婦報道をめぐって朝日新聞が訴えられている民事訴訟(賠償請求)で、また原告敗訴、朝日勝訴の判決がありました(9月29日)。
【朝日新聞9月30日朝刊】
慰安婦訴訟 二審も本社勝訴
朝日新聞の慰安婦に関する報道で「国民の名誉が傷つけられた」として、国内外の56人が朝日新聞社に1人1万円の慰謝料を求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁(村田渉裁判長)は29日、原告の請求を棄却した昨年7月の一審・東京地裁判決を支持し、原告の控訴を棄却した。
対象は、慰安婦にするため女性を無理やり連行したとする故吉田清治氏の証言記事など、1982~94年に掲載された計13本の朝日新聞記事。原告側は「日本国民の国際的評価を低下させ、国民的人格権や名誉権が傷つけられた」と主張し、2015年1月に提訴した。一審では2万5722人が原告に名を連ねた。
判決で高裁は「旧日本軍の行為や政府の対応を指摘する内容で、原告を対象とした記事とはいえず、原告の名誉を侵害したとはいえない」と判断した。また、「国民一般が、知る権利を根拠として、報道機関に対し誤った報道の訂正を求める権利を有するとは解されない」とも述べた。
朝日新聞社広報部は「弊社の主張が認められたと考えています」との談話を出した。
朝日新聞を訴えた訴訟はこの裁判を含めて3つあり、いずれも1審は原告が敗訴、2審も2つめの敗訴、計5連敗ということです。なお、この裁判の原告弁護団長、高池勝彦弁護士は、植村裁判の札幌訴訟では被告櫻井よしこ氏の代理人をつとめています。